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さびしい女神

<531回>

小路幸也氏の「マイ・ブルー・ヘブン」は、「東京バンドワゴン」シリーズの番外編だと思って読んでいなかった。「オール*マイ*ラビング」を読んでしまった後に、話の一部が繋がっているようだと気が付いた(定かではない)。これは読まなくちゃなりますまい。てなことで、今日は仁木英之氏の僕僕先生シリーズ第4弾「さびしい女神」(2010年4月20日発行、新潮社)をご紹介することと致しましょう。「ミストスピリット」や「氷上都市の秘宝」などはどうしたと言われても、そのうちにとしか言いようがありませぬ。相済まぬことでござります。まァ、国外、県外はどうしたよりはまだましかと存じます。「本は収まるところに収まる」(「東京バンドワゴン」より)のでございますよ。

僕僕先生も既に第4弾。唐の時代、玄宗皇帝全盛期、仙人の僕僕先生と仙骨のない王弁の旅は続くのであった。広州の外港、番禹から海に出て西に5日。武安州にたどり着き、そこから北へと数百里。苗人の小国のうち思琅州にある峰西苗の国を目指す。そこには人々から聖なる山と崇められている六合峰があった。なんで目指すのかって。前作の「胡蝶の失くし物」と関係するのでありますが、それは読んでのお楽しみ。さて、六合峰の頂には女神がいるのでありました。しかも、苗人の小国を襲う旱魃の原因は、どうもその女神らしい。

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そう言えば、次々と現れる妖魔や旱魃から高原を救う英雄タンラと精霊ジュンガの物語「高原王記」(2010年2月10日第1刷発行、幻冬舎)の精霊ジュンガも峰の頂に住んでいた。その高峰はあまりに険しく、そして冷たい。その試練を越えることができた者だけが精霊の加護を受けられるし、漸く精霊も峰から離れられるのであった。精霊は長い年月を退屈して過ごすことになる。これだけだと、何やら「さびしい女神」と似てますが、こちらはこちらで読んで頂けば違いも分かろうと云うもの。

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おっと、話を戻しましょうか。女神に出会った王弁は、「折角じゃ、話し相手くらいはしていけ」と女神に呼び止められるのでありました。しかも、「お前みたいな人間がよくこのせせこましい天地で生き残っておるな」などといつもながらに言われてしまう。しかしかし、今回の王弁は、天馬の吉良の助けも借りて、僕僕先生の忠告も聞かずに時空を超えて古の神仙を探すのであった。なんせ、「神仙にも旬というもの」があるらしい。さてはて、女神は何故にさびしいのか、王弁が辿り着くものとは何か。いつもとちょっと違った「僕僕先生」。楽しんで頂くことと致しましょう。

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