へリックスの孤児
<525回>
何だか日本の政治も終わったような気がするな。「犯罪より反党行為に厳しく」(3/3付時事)なんてことを首相が言っちゃうなんて。中国ですら、こんな直截な表現は使わないよな。映画の世界ならいざ知らず、誰かのアバター宇宙人(?)が首相じゃねぇ。あ~ァ、国民が悪いんでしょうね。うんざりしたところで、今日はやっとアバターを観て参りました。いや、映画の世界が大きく変わる3D作品が出てきたと云うことでしょうね。まァ、そんなこんなで(訳が分らないでしょうが、笑)、今日はDan Simmonsの「WORLDS ENOUGH & TIME(へリックスの孤児)」(酒井昭伸、嶋田洋一訳、2009年12月25日発行、ハヤカワ文庫)でも紹介致しましょう。「われわれ(作家たち)の想像力が、夢が、恐怖が作り出したイメージを(映画やテレビが)再現する」(括弧内はdawnが付加)なんてDan Simmonsが述べている。
Dan Simmons、私の好きな作家なので、どころか彼の作品からdawnだとかhyperionだとか言っているのだけれども、流石に短編集はどうしようかと思っていた。と云うのも、この短編集では、各作品に彼の序文が入っている。こんな作品はファンだけで読めばいいじゃないかとも思ったのだが、そこはそれ、幅広く知って頂きたいとも思うのですよ。「Orphans of the Helix(へリックスの孤児)」は「ハイぺリオン」シリーズへちょっと戻ったような、懐かしい思いを我々は味わうのだが、初めての方は、これはどうなってるのか知りたいと思って頂ければ嬉しい限り。その他、「ケリー・ダールを探して」、「アヴの月、九日」、「カナカレデスとK2に登る」、「重力の終わり」が収められている。彼の多才さを再認識する。また、彼が結構、映像を意識していたことが判る序文もまた興味深いし、映像になっていないところが、また楽しいところでもある。最後に、「へリックスの孤児」の中の一文を紹介して、このレビューを終わろう。
「あなたがたの社会構造が、六百標準年以上も前、たったいちどだけ上演されたオペラに-娯楽作品に-基づいているのですね?」
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