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南の子供が夜いくところ

<526回>

風が強くてかなわない。外に出る気はしなかったが、天気が良いと部屋の中にいるのももったいないような気がする。青池保子さんの「エロイカより愛をこめて 3536」(平成21年6月30日、平成22年2月28日、秋田書店)を見ながらじゃ、あまり説得力はありませんがね(笑)。最近は結構忙しく、紹介したい本が溜まってしまった。「ミストスピリット①」、「高原王記」なども紹介したいのだが、風の強い夜に紹介するとしたら、これだろうな。恒川光太郎氏の「南の子供が夜いくところ」(平成22年2月28日初版発行、角川書店)。そこは、南の島々。普通のようで、ちょっと不思議な場所なのさ。

湘南の海水浴場からトロンパス島へと来たのはタカシ。両親と別れ、呪術師ユナさんに連れられて来た。それはタカシの見る夢なのか、そうでないのか判らない。「南の子供が夜いくところ」から始まる物語。ユナの生まれた「紫焔樹の島」。トロンバス島を訪れたヴェルレーヌの手記から「十字路のピンクの廟」。遠い遠い昔に精霊の力を求めて海の果てに旅立った男の「雲の眠る海」。セントマリー岬で起きる悪霊ヤニューの「蛸漁師」。タカシとロブが出逢った「まどろみのティユルさん」。タカシの父親がタカシに会いに来るまでに迷い込んだ廃墟の町の「夜の果樹園」。それは、精霊、悪霊たちが織りなす不可思議なのか、それとも、心の中に潜む夢なのか。「では素晴らしい人生とは何かね?何があると素晴らしいのだね」と問いかけられれば、それが現実なのか幻なのか判らない。何だかドキッとしますよね。

Tunekawa01

<参考>恒川光太郎氏の作品

草祭

秋の牢獄

雷の季節の終わりに

夜市


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Posted by: 藍色 | 12/11/2012 at 11:42 PM

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