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SOSの猿

<519回>

世間がかなり騒がしい。攻められたとき人は性格によって対応が違う。逆に攻めるタイプ、冷静に防御するタイプ、何をやっていいか分らなくて静止するタイプなどなど。今回の小沢氏及び鳩山氏はどうなのだろう。小沢氏は一番最初のタイプなのだろうが、鳩山氏となると人間的性格なのかどうかさっぱり分らないと云うところなのかな。とは言え、物事には因果関係がある訳で、攻められる原因は何かくらいは調査を指示すべきなのだろう。SOS(Save Our Souls)も出せない国民の代わりにねぇ。なんて、今日は伊坂幸太郎氏の「SOSの猿」(2009年11月25日初版発行、中央公論社)を紹介するつもりだったので、無理やりの前振りのような気もするな(笑)。

この作品は漫画家の五十嵐大介氏の漫画と対になるものらしい。著者あとがきに書いてあるので、“らしい”と云うのは可笑しいが、まだ漫画の方を見ていない私としては“らしい”としか言いようがない。もともと五十嵐氏の出したキーワード「猿」、「孫悟空」、「エクソシスト」をもとに描いた作品だそうだ。伊坂氏の愛読者の方には作風が違うと感じる人もいるだろう。私は作風なんぞに拘らないので、新たな試みで結構面白いと思う。と云うことで、これ以上内容を話すと、その面白さが失われるので、あとは適当にご紹介。

Isaka01 まず申し上げておくと、SOSを出している猿を救出するアドベンチャー小説ではないと云うことである。なお、文中にはSOSは「Save Our Ship の略みたいね。・・・」・・・「そうじゃなければ、Save Our Souls だって」と書いてある。私は勝手に後者を前文で使っている。なんてことはどうでもいい話で、作品は概ね「私の話」と「猿の話」との二重構造で進んでいく。概ねと云うのは「五十嵐真の話」と云うのもあるからだ。「私」と云うのは遠藤二郎、変わった奴である。言っとくと、五十嵐真と云うのも変な奴であり、登場人物全員がやはり普通じゃないんだな。

二つか三つ抜粋すると、「女房はだいたい、値下がっちゃうわよね。夫のほうはもう、ただの紙くずになっちゃうし、・・・」、「暴力は、暴力性は誰だって、抱えている」、「個人の失敗を、人類共通の苦悩に転嫁するんですか」とか登場人物たちが語っている。これ見て何の小説か分る人はいないだろうなァ。ま、単に皆さんも読んでみて下さいと云うことですが、五十嵐大介氏の「SARU」と合わせて読んだ方が良いのでしょう。伊坂幸太郎氏には温暖化のために火星移住計画の進んだ地球を描いた「実験4号」(2008年4月25日第1刷発行、講談社)なんてものもあります(正直、私には評価不能です)。これも、伊坂幸太郎氏の小説「後藤を待ちながら」と山下敦弘氏の映像「It's a small world」とのコラボ作品になっています。

<参考>本ブログで紹介した伊坂幸太郎氏の作品

モダンタイムス
砂漠
ゴールデンスランバー
グラスホッパー
陽気なギャングの日常と襲撃
フィッシュストーリー
重力ピエロ
ラッシュライフ
オーデュボンの祈り
チルドレン
陽気なギャングが地球を回す
魔王
死神の精度

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