魔王とひとしずくの涙
<513回>
早速に読んでしまった Piers Anthony の魔法の国ザンス20「YON ILL WIND(魔王とひとしずくの涙)」(山田順子訳、2009年11月25日発行、ハヤカワ文庫)を紹介することに致しましょう。この手の本なら、魔法にでもかかったかのように早く読み終えてしまうので、しまった、こんなに早く読むんじゃなかった、なんて後悔することしきりです。魔法と言えば、「THE WITCH'S HANDBOOK(魔女図鑑-魔女になるための11のレッスン)」(Malcolm Bird作・絵、岡部史訳、1992年8月初版発行、金の星社)なんて本もあります。「熟練した魔女によってのみ実用可能」だそうなので難しそうですが(笑)、魔法にかかってしまったと思った時には、お薦めかもしれません。
前作「女悪魔の任務」では、ザンスの魔王Xと女魔王Vとのゲームが裏にはあった。ザンスの魔王Xは勝ち過ぎた。魔王の長JUに挑まれるが、どうも、これは罠っぽい。魔王の長の地位とザンスの支配権を賭けた今回は、魔王Xにとって過酷なものと相成った。魔王Xはザンスの死すべき運命の生き物となり、ザンスに於いてパートナーを一人選ばなければならない。そのパートナーが魔王Xのために涙をひとしずく流せば、魔王の勝ちとなるのだが。まァ、色々と条件が付いている。まずはその姿。体はグリーンとパステルピンクの縞模様のドラゴン、頭はロバで、汚水アヒルの声と云った代物だ。名前は二ムビー(Not In My Backyardの略)。
一回しかしゃべれないので、声はどうでもいいのだが、出だしから、何やら躓いた。パートナーを選びそこなった。パートナーの名はクローリン。二人の冒険が始まった。マンダニア人のボールドウィン一家も巻き込まれ、前回活躍した女悪魔メトリアの悪しき半身メンティアも加わって、話は大変なことになっていく。魔王Xが負けると、ザンスもどうなるか分らない。さァて、結末や如何に。ま、そんなことはさておいて、クローリンもメンティアも「ピンナップの女王」だし、随所に<おとなの陰謀>は出てくるわ、魔法の力が作用しなくなる袋がナップサックだったりと、言葉遊びも頻繁だ。翻訳の方は大変だろうが、いつものように楽しめる。次回作も既にあるようで、安心して一気に読んで頂こう。
(注)魔王Xの正式名は、X(A/N)th 。女魔王VはV(E/N)us 。魔王の長JUはJU(P/I)terです。念のため。
<参考>魔女図鑑
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