千里伝
<510回>
仁木英之氏の「千里伝 五嶽真形図」(2009年10月27日第1刷発行、講談社)を紹介しましょう。「僕僕先生」シリーズとは一味違う物語。でも、舞台はやはり中国は唐の時代と云うところが何とも言えないのではありました。冲方丁氏の「ストーム・ブリング・ワールド①・②」(2009年8月25日、9月25日初版第一刷発行、MF文庫ダヴィンチ)は新装改訂版なので、わざわざ紹介するまでもありますまい。とは言え、かなり手を入れており、これこそ真バージョンだそうです。アーティミス・フェランとリェロン・エルライ、<創造の書>の断片<カルド>を駆使する<駆使者(セプター)>の活躍が楽しめます。
さて、「千里伝」。紀元前二世紀、漢の武帝、劉徹は西王母より授かった五嶽真形図を自らのものとすることが出来なかった。西王母は、これを天地に住む人と覇権を争った者たちに与えようとしたが、結局のところ、千年後に双方どちらが支配者として適格か、五嶽真形図に判断させることとなった。こうして、天地の全てを結びつけ平穏に維持する力と全てを一新する力を有する五嶽真形図の行方は唐王朝第十五代皇帝の武宗、頴王の御代に持ち越されることとなったのである。人と異形の王・共工との壮絶な戦いが始まる。南平郡王の孫、千里、少林寺の僧、絶海、吐藩の戦士、バソンと玄冥、蔑収、句芒との戦いは如何なる結末となるのか。千里たち三人を導いた道士、趙帰真の思惑、千里と玄冥との関係などが絡み、思わぬ方向へと事態は進む。
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