SF

魚舟・獣舟

 夜は過ごし易いものの、日中はかなり蒸し暑い。背広姿で歩いちゃいけません。一昨日は背中が汗でびっしょり。こんな時には少々ぞっとするような話でも紹介するここと致しましょう。なんて言いながら、前回から未だに悩んでいる。どれにしようかなァ。考えると冷たい風が首筋に当るような世界を描くSFにしようか。夢と現の間に彷徨う幽界を描く幻想作品にしようか。さてと、どちらにいたしましょう。色々悩んでもしょうがない。夏も終わりそうだし、出し惜しんでもね。ここは、両方いっちまえと云うことで、4作品をご紹介。いやぁ、夏物在庫一掃セールじゃございません。

Continue reading "魚舟・獣舟"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

プロバビリティ・ムーン

 まァ何といっても、今年は国際天文年。皆既日食もあったことだし、宇宙に目を向けなくてはなりません(我ながら、なんて唐突なことか、笑)。ここ十年ほど日本は、「のぞみ」による火星探査、「はやぶさ」による小惑星イトカワ探査等、少々遠いところに目が行きがちだった。2007年の「かぐや」に続く月探査にもそろそろ注力しなければ、2010年代での有人月面拠点システムの構築がどうなることやら。なんて書くと、David Weberの「HEIRS OF EMPIRE(反逆者の月3-皇子と皇女-)上」(中村仁美訳、2009年3月15日発行、ハヤカワ文庫)を紹介すると思うでしょう。「反逆者の月」三部作完結篇にして、コリン・マッキンタイアの息子ショーンと娘ハリエットの冒険を描いた作品は疲れた時にお勧めです。私も強化手術を受けたいな、なんてね。でも、今日は、月は月でも「プロバビリティ・ムーン」をメインにご紹介。

Continue reading "プロバビリティ・ムーン"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ミカイールの階梯

 「グアルディア」、「ラ・イストリア」(2007年5月25日発行、ハヤカワ文庫)に続く、仁木稔氏の「ミカイールの階梯 上」(2009年5月25日、ハヤカワSFシリーズJコレクション)。「ラ・イストリア」は、「グアルディア」の400年前を描いた作品。生体端末のブランカ、生体甲冑へと変貌するフアニート。それはアンヘルとグアルディアへと繋がっていく。今回、「ミカイールの階梯」では、23~27世紀の中南米から25世紀の中央アジアへと舞台を移す。ところで、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラー等々区分するのは難しい。分ける意味があるのかないのか判らないが、「SF & Fantasy」なるものを作ってみた。まだ、私のTrackbackしかない。誰かTrackbackして欲しいな。

Continue reading "ミカイールの階梯"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

海賊船ベヘモスの襲撃

新型インフルエンザが日本でも広がりつつある。弱毒性だからどうのこうのと言われているが、5/23付毎日新聞社説「新型方針改定 重症化防ぐ手だても」あたりの意見が妥当なところかな。これが致死率100%の疫病となると、そうはいかない。「YEAR ZERO(紀元零年の遺物 上)」(Jeff Long著、2004年11月25日初版発行、山本光伸訳、二見文庫)みたいな場合は大変だ。神の存在の是非にまで至る。それにしても、弱毒性、強毒性を問わず、自ら罹患率を高めるような行為は如何なものだろうか。「翼のない少年アズの冒険2」の「PIRATES OF THE RELENTLESS DESERT(海賊船ベヘモスの襲撃)」(Jay Amory著、2009年5月15日初版、圷香織訳、創元推理文庫)の海賊達もその手の類である。

Continue reading "海賊船ベヘモスの襲撃"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

木でできた海

数日前、福岡へ行った。いつも感じるのだが、便利なところだ。地下鉄で空港から博多駅まで5分。空港移転の話もあったが、そのままになるそうだ。ところで、もう少し暖かいかと思ったのだが、東京と変わらなかった。バラの花も枯れ始めたなどと前回書いたが、別のバラが咲き始めた。一面だけ見て物事を判断してはいけませんな。しかしながら、幾つもの自分を見たら、どうなんでしょうね。そう云う話が、Jonathan Carrollの「THE WOODEN SEA(木でできた海)」(2009年4月30日初版、市田泉訳、創元推理文庫)。空港へと向かうところで、いつものように慌てて仕入れた本の一冊だった。「死者の書」で有名な作家らしいが、実は読んだことがなかった。死者の書と言えば、「原典訳 チベットの死者の書」(1989年5月25日初版第一刷発行、川崎信定訳、筑摩書房)か、などと云う話はまた別の機会にいたしましょう。

Continue reading "木でできた海"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ダンシング ヴァニティ

ヘミングウェイの名前が出たところで思い出したのが、「The Crook Factory(諜報指揮官ヘミングウェイ)」(Dan Simmons著)である。どこかに本があるはずなのだが、例によって見つからない。なかなか面白い本なので紹介しようと思ったのにな。この中のErnest Miller HemingwayがLost Generation?なんて考えながら探しているときには見つからず、「探すのを止めたとき 見つかることも よくある話で」(井上陽水氏の「夢の中へ」より)、結局のところ、「踊りましょう 夢の中へ 行ってみたいと 思いませんか」となり、筒井康隆氏の「ダンシング ヴァニティ(Dancing Vanity)」(2008年1月30日発行、新潮社)へと至るのでありました。そこは夢か現か私には判りません。夢なら悪夢かもしれません。それでも、「Woo woo woo-- さあ」、行ってみて下さい。

Continue reading "ダンシング ヴァニティ"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

反逆者の月

砂の混じったような茶褐色の壁が続く。背中を流れる汗。汗に混じる熱のにおい。熱気の中の寒気。誰かが後ろからついて来る気配がする。振り返ることが出来ない。水が欲しい。咽喉が焼けるようだ。壁は途切れることがない。朦朧とした目は周りを見ることも出来なくなってきた。ここは何処なのだろう。長い長い回廊なのか。外には灼熱の太陽があるのか。それとも極寒の世界が待っているのか。

何処かで人の声が聞こえる。異国の言葉。そのとき、私はハッと気が付いた。ここは…、

Continue reading "反逆者の月"

| | Comments (2) | TrackBack (1)

ゴールデンエイジなど

年末恒例小旅行はいつものように朝まで飲んでた人もいたようだ。私は炬燵があったのでほっこりしてしまった。炬燵に入ったのは何年振りだろう。うとうとしてしまった。さァ飲み直しましょうと声をかける人がいて助かった。そのまま寝ていたら、きっと風邪をひいていただろう。12時をかなり回っていたと思うのだが、私は炬燵から布団に潜り込むのが精一杯。すぐ行くからとか言いながら、そのまま朝までと相成りました(笑)。そう言えば、49週間をかけたRoboZakもまだ完成していない。ここで一冊何かレビューを書くよりも、多分レビューを書かないだろう作品を、せめて題名だけでも紹介しておきましょう。

Continue reading "ゴールデンエイジなど"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

キルン・ピープル

帰国した日の空港で安部氏辞任表明の報道を目にして驚いた。何を今更の感は拭えない。政策を云々する前に、コミュニケーション能力の欠如した人物は早々に退陣すべきであった。日本と云う国についての対外的な評価が低下するのは困ったことだが、まァ、精神的にも病んでいるとの報道もあり、一刻も早い辞任は結果的に已むを得なかったのかもしれない。そんなこんなの日本であるが、いつものように今年も根津神社例大祭が昨日から始まった。良いお天気で何よりである。こんな時には、David Brinの「KILN PEOPLE(キルン・ピープル)上」(酒井昭伸訳、2007年8月25日発行、ハヤカワ文庫)でも紹介しましょう。

Continue reading "キルン・ピープル"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

幽霊人命救助隊 他

西條奈加氏の「烏金」や恩田陸さんの「木漏れ日に泳ぐ魚」なども紹介したいところだが、最近は単行本ばかりなので、今日は文庫本を紹介しておこう。この頃(この頃と言っても相当に長いのであるが)、日本の作家では恩田陸さん、伊坂幸太郎氏や奥田英朗氏のものを探して読んでいる。例えば、「月の裏側」(恩田陸さん著、平成18年7月20日12版発行、幻冬舎文庫)などである。これと小路幸也氏の「空を見上げる 古い歌を口ずさむ」(2007年5月15日第1刷発行、講談社文庫)などは郷愁をそそるとは言え、なかなかに妖しき世界。そんなところを突き抜けてしまうと、こうなるのだな。高野和明氏の「幽霊人命救助隊」(2007年4月10日第1刷、文春文庫)。

Continue reading "幽霊人命救助隊 他"

| | Comments (2) | TrackBack (0)