怪奇

おそろし

昨日の午後、激しい雨の後から急に涼しくなった。今日も午前中から雨がぱらつき、気温は上がっていない。夕方の降り方は凄まじかった。暑い時には涼しい話と思っていたのだが、蒸し暑くもない雨の中、少々興のさめるところではある。「今朝の秋」のように知らないうちに秋が来ているとまでは言わないが、今年はちょっと遅かったのかもしれない。宮部みゆきさんの「おそろし」(平成二十年七月三十一日初版発行、角川書店)を紹介しようと思っていたのだ。毎年この時期に同じような趣向とは(あめふらし、「覘き小平治」他)、マンネリではあるが致し方ない。何処が致し方ないのか分からないが、紹介することとしよう。 

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草葉の陰で見つけたもの

手術から2週間、漸く首の周りの覆いが外れた。我が愛犬は苦痛だったに違いない。人間の歳で言えば八十歳を超える老犬である。回復して何より。うつらうつらと過ごした最初の1週間、彼は何を考えていたのだろう。聞いても、久々に自分の身体全体を感じているのだろうか、うっとりとソファに寝転がって何も言わない。想像してみるしかないのだが、こんなことは考えなかったことだろう。首から下が見えないとは言え、大田十折氏の「草葉の陰で見つけたもの」(2008年6月25日初版一刷発行、光文社)のようなことは。それにしても、「俺は今きっと、生きながらにして晒し首になっている」なんてことをよく考えるものですね。

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前巷説百物語

外は先ほどから静かである。「世に不思議なし」ってぇことですが、今この時は「世凡て不思議なり」ってことにして、京極夏彦氏の「前巷説百物語」(平成十九年四月三十日初版発行、角川書店)でもご紹介いたしましょう。「後巷説百物語」まできた後に、「前巷説百物語」とは、「終わりじゃねェ、始まりだ」と云うことなんですかねぇ。所詮は小股潜りが御行乞食となりて「御行為奉」。そう、所詮この世は夢幻。人の真実は、その人の中にしかないのです。在って欲しいもの、在るべきだと考えられるものが、ないのに在る外の巷は夢、この世は全て幻のようなもの。その巷にりんと鈴の音がして、又市の話が始まったのです。

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東京百鬼

■浦山明俊氏の「東京百鬼」(祥伝社文庫、平成18年3月20日初版第1刷発行)

先ほど、アニメフェアアワード表彰式及びレセプションから帰ってきた。フェアそのものは予想通りの入場者数で何よりである。我々もご依頼によりブースを出したが、ビジネス関連の方々に結構ご訪問を頂いた。海外の方々ともお話することが出来た。なかでも、Mr.Oには色々と教えて頂き、極めて有意義であった。さて、明日は今度出版する本のチェック等忙しいので、今日のうちに本の紹介でもしておこう。宮部みゆきさんの「ドリーム・バスター3」といきたいところだが、少々疲れているので、これは今度ゆっくりと紹介しよう。と云うことで、疲れたときの陰陽師(?)。「東京百鬼」である。1時間程度で読めるところが適度かもしれない。

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狐弟子

■森福 都さんの「狐弟子」(実業の日本社、2005年11月25日初版第一刷)

今日も今日とて来週締め切りの原稿を書かねばならない。とか思いながら、ティム・バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」を見に行ってしまった。Roald Dahlのシニカルさは若干足りないが、好いですね。漸く見ることができました。やはり想像力ですよね。想像力が不足すると愛情にも問題が起きる。最近のお子様方(幾つのお子様方かは想像にお任せする、笑)は本も読まなきゃ、読解力も文章力もない。結局のところ想像力も何処かへ行ってしまってる(だってね、知識がなくちゃ、想像力も働かない)。困ったものです。何てことは別として、まァ、6500字程度なら2~3時間で書けるだろう。と云うことで、ほんの少々、本のご紹介も致しましょう(笑)。それにしても、先週のホームエンタテイメント産業展での講演は嬉しかった。日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合(CDV-JAPAN)の世良與志雄理事長(フタバ図書社長)はじめ、皆さん真剣に聞いて頂き、話した甲斐があった。制作者とリテーラーとの組み合わせは結構いけますよ。

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「長安牡丹花異聞」

■森福都さんの「長安牡丹花異聞」(文春文庫、2005年7月10日第1刷)

台風がやってくるらしい。本来なら既に出掛けている時間だ。今日は「エンターテイメント・ロイヤーズ・ネットワーク」第1回研究会がある予定だった。そこで、松田政行先生と「映画コンテンツ製作資金調達スキーム」と云う題で講演することになっていた。これはこれで、弁護士の方々やコンテンツ関連の皆様の疑問等にお答えする良い機会であったが、台風のせいで延期されてしまったのでした。丁度いいので、優先・劣後構造を検討する会議を開くことにした。この方式で優先・劣後をつけるのは税務上問題があるようだ。しかし、優先・劣後構造は、一般投資家のリスクを軽減する一つの手法として重要である。かなり大きな案件があるので、ここ1週間ばかり、この点について考えていた。社内で検討した後、弁護士等とも相談しなくてはならないので、どうなるか判らない。でも、私の案は結構な逆転の発想だと思う(自分で言っててもね、笑)。5時半からの商品開発担当等との会議まで、ちょっと時間ができたので、「長安牡丹花異聞」でも紹介しよう。この短編集も発想が面白い。

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「覘き小平治」他

■田口ランディさんの「ドリームタイム」(文藝春秋、2005年2月10日第1刷発行)
■京極夏彦氏の「覘き小平治」(中央公論新社、2005年2月25日初版発行)
■松浦寿輝氏の「もののたわむれ」(文春文庫、2005年6月10日第1刷)

今日は何だか蒸し暑い。これでも梅雨かと思ってしまう。紫陽花の花にも生気が今一つ足りないような気がする(hydrangeaさんはどうしたろうか)。こんな陽気にはやはり少し涼しい話が良いのかもしれない。京極夏彦氏の「覘き小平治」を読んでいる折、ふっと田口ランディさんの「ドリームタイム」を思い出した。松浦寿輝氏の「もののたわむれ」も一緒に書きたくなった。キーワードは「生霊」である。かと言って、「源氏物語」(夕顔の姫君が六条御息所の生霊に憑かれ、はかなく命を落とす話は有名である)や岡野玲子さんの「陰陽師」(原作:夢枕獏氏、白泉社)に出てくるような凄まじきものではない。でも、それだから余計に怖いのかもしれない。なお、「覘き小平治」、「もののたわむれ」には「生霊」と云う言葉は出て来ない。あくまで私が3作を通じて感じたものである。

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「稲生モノノケ大全」陽之巻

「稲生モノノケ大全」陽之巻なんて本を見つけた。歯医者で相当にいたぶられた後のことである。少々、気分転換も必要と本屋に寄ったのである。内容はざっと以下の通り。

東雅夫編、毎日新聞社、2005年5月31日発行、解説まで含め667頁。「モノノケ文学賞全入選作品を一挙掲載」だそうだ。なお、2003年9月には「稲生モノノケ大全」陰之巻(800頁だそうだ、うへえ)も刊行済みとのこと。編者は「同書は幸いにも好評をもって迎えられ」なんて書いている(本当か?)。で、陽之巻と相成った模様である。宇野亜喜良氏の絵本「ぼくはへいたろう」ほか、京極夏彦氏、菊池秀行氏などの20作品が収められている。毎日新聞社さん、何時から奇怪ふしぎなカストリ紙に衣替えされたんでしたっけ(笑)。

誰が買うんだ?こんな本。

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榎木津礼二郎(薔薇十字探偵)

京極夏彦氏の作品、何だか知識をひけらかして好きになれないと云う方もいらっしゃるだろう。これがいいのだ(天才バカボンではないが)。その中でも特異なキャラクターが榎木津礼二郎、薔薇十字探偵である。Novelsにも一篇紹介させて頂いた。我々の周囲にはいない(いるような気もする-「君だ」)かもしれないが、いると面白い人物(もしくは迷惑な人物)かもしれない。

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