著作権

私的録音録画補償金制度

文化審議会の法制問題小委員会は、現行の私的録音録画補償金制度は問題点が多く、現時点で「iPod」などの携帯デジタル音楽プレーヤーの販売価格に著作権者への補償金を上乗せすることは適切でないと云う結論を出したようだ(2005.11.11付NIKKEI NET『著作権補償金上乗せ、「iPod」など見送りへ・文化審』より)。

まァ、この問題は利用者側にも判り難い制度(録音・録画しない人からも補償金を取る制度)であるし、そもそも著作権者へ適正な分配がなされていない(現状、個別著作権者への分配ゼロの模様)ことから、どう考えても可笑しな制度である。当然といえば当然の結論であろう。

なお、この適正な分配の問題は著作権団体全体の問題でもある。例えば、放送局からの著作権使用料はまとめて幾らと云う形で支払われる。個別にどの楽曲がどの位使われたかなどと云う資料はない(適宜な番組調査による分配がなされている)。情報技術が進んでいるのに、このようないい加減なことが未だになされていると云うのだから、摩訶不思議な世界である。

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記事見出し

2005年10月6日、知的財産高裁にて、ネット記事の見出し無断配信を違法とする判決が出された。読売新聞東京本社が、インターネットサービス会社「デジタルアライアンス」に対して、インターネット上で配信された新聞社の記事の見出し部分を無断使用し利益を得ているのは違法だとして(参照)、2480万円の損害賠償と記事見出しの使用差し止めを求めていた訴訟の控訴審判決である。2005年10月6日付読売新聞の記事を見るに、判決内容は以下の通りである。

「デジタル社の一連の行為は、社会的に許容される限度を超えたもので、読売新聞東京本社の法的保護に値する利益を違法に侵害したものとして不法行為を構成するというべきである。読売新聞東京本社にはデジタル社の侵害行為で損害が生じたことが認められるが、使用料について適正な市場相場が十分に形成されていない現状では、損害の正確な額を立証することは極めて困難であるといわざるを得ず、デジタル社の侵害行為によって生じた損害額は1か月につき1万円であると認めるのが相当で、読売新聞東京本社に生じた損害額は23万7741円ということができる。」(一部抜粋)

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学校での著作物複製

ここ2週間ほど連日連夜の飲み会に追われ、本を読む暇が殆どない。悲しい。blogも書く暇がないので、ちょっとした空き時間があれば、他の方のblogを見て回るのを楽しみにしている(依存症かも、笑)。でもこれは、食事を抜かしても書いておきたい。

■2004.12.17朝日新聞朝刊「学校での著作物複製 年2万円でOK」と云う記事はよく理解できない。
同記事によると、『日本文藝家協会は、16日、首都圏の私立中・高108校で作る「著作権利用等に係わる教育NPO」(このNPOはweb上で検索できなかった。)と、学校内の著作物利用に関する協定を結んだ。1校あたり年間2万円の補償金で教材などへの複製利用をほぼ自由にする。また、同協会は公立・大学とも契約を目指すと話をしている』そうだ(一部抜粋)。

ところで著作権法では、次のように定められている。

(学校その他の教育機関における複製)
第35条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。(第二項省略)

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blogに於ける著作権

■livedoor Blogの規約改正(利用規約の一部変更のお知らせ)は、余りと言えばあまりじゃないか(参考:利用規約)。

内容は(続き)の通りである。著作権のみならず、著作者人格権の不行使も含まれている。改正前も如何なものかと思うが、このようなことが他のblogにも波及しなければ良いと思う(なお、心配になってココログの利用規約に関しても調べてみた。入る際に注意しなければならないのに今頃調べてる⇒学生にはいつも注意してるのに、苦笑)。今回の件は記事強制削除問題から派生しているようだが、何れにせよ一部法律違反や社会道義的に問題になるものの排除を口実にして、一般ユーザーの表現を制限したり、その権利を侵害することは止めて欲しい。
なお、blogは匿名だからとよく言われるが、例えてみれば芸名で出演しているラジオのDJと同じで実は匿名ではないのだ。

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ダンス教室を巡る著作権問題

Unforgettable Daysさんとkoolpaw memoさんとで、こんなに議論されているとは。
お二人ともに、おっしゃる通りのところがあるので、私ごときが口を挟むことではないかもしれないし、間違っているところもあるかもしれないので、その点予めお断り申し上げた上で、少々書いてみたい。

JASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)は著作権等管理事業者である。この事業者は、信託、代理、取次いずれかの形態でもって著作権者(楽曲の著作権者=作曲家、作詞家、たまに編曲者。音楽出版社が間に入るケースが多いと思うが、ここでは単純化している。なお、この案件は実演家の著作隣接権の問題ではないので、この点は注意して欲しい。)の権利を管理している。JASRACは信託形態で管理しており、著作権者の権利は一旦、JASRACへ信託譲渡され、受託者であるJASRACはその委託者兼受益者である著作権者に対して管理している著作権から生じる利益を配分する。

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ダンス教室の使用楽曲

私も法律の専門家ではないので詳しいことは分からないとまずお断りしておきます。
その上で、 Unforgettable Daysさんの「ダンスレッスンで使用する音楽は、著作権侵害か?」に関して考えてみました。

1.本件はJASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)が名古屋市の7つの社交ダンス教室を相手に、CDの演奏差し止めと損害の請求をしていた案件である。これは実演家やレコード製作者といった著作隣接権者の問題ではない。まさに作詞・作曲者の著作権に係わる権利侵害問題である。
とすると、著作権が消滅していない楽曲でJASRACに登録等されているもの(他の著作権管理事業者等への登録ではないもの)であれば、当然ながらJASRACの訴えは正当である。

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著作権問題

湯川さんの「グーグルがニュースサイト」を読んで、その趣旨とは少々違うことを思ったのでメモしておきます。まだまとまった考えにもなっていないので本当にメモ的ですが、以下がその内容です。
著作権法の世界では最近、無体頒布(ここで云う頒布は著作権法上の「頒布権」の頒布ではなく、広い意味)を有体頒布と同一に考え始めているように感じられる。即ち、従来の無体頒布に於いては複製権を考えなかったが、送信可能化権という概念によって無体頒布にも複製権を持ち込んだ。これはネットをはじめとする新しい無体頒布型情報提供に従来型の有体頒布の枠を嵌めようとするものである。このことによって著作権の世界は複雑さを増すとともに、商業的な著作財産権保護の度合いを強めている。このことは、著作権法が情報の商業的価値と社会的価値との比較考量に於いて実質的に商業的価値に重きを置きつつあるものと解釈できる。このような動きは何も日本だけのものではなく、WIPO(World Intellectual Property Organization の略)に於いて認められているものである(加盟国中、日本が急先鋒ではある)。エンタテイメント関連の著作権ではある程度やむを得ない面もあるが(別途問題があるが)、ニュースと云う「social property」としての側面が強いものに当てはめると相当にバランスを欠くものになりかねない。なお、米国は著作権、特許権等知的財産権の「social property」としての側面を従来強く認識していたが、ここも姿勢が変わりつつある。

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インターネット等の技術の高度化が原因か

New Reportに紹介した内容について。確かに現行法上、違法性を認識していたとしたら処罰はやむを得ないと思う。しかし、違法アップロードが、はたして著作(隣接)権<財産権部分>を侵害しているのだろうか。無数のアップロードによって、実は楽曲の認知度が高まり、アップロードされない場合より売上は上がっているのかもしれない。違法コピーが原因で売上が落ちているのではなくて、本当は旧態依然としたビジネス、もしくは手抜きのビジネスをやっているから、売上が落ちているのかもしれない。それでなくとも著作権法は財産権の保護に関して複雑になり過ぎているのではないか。

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