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きのうの世界

 さて、5周年記念のご紹介第二弾。その前に、紹介してきた本のカテゴリーを見てみよう。Fantasyが最も多く33.3%である。第2位はSFと思いきや、活劇で11.2%。流石、疲れた時の活劇である。以下、世相7.6%、Mystery7.2%、SF6.8%、幻想4.8%、歴史4.4%、怪奇3.6%、悲喜劇3.2%、Horror2.4%、時代1.6%、home-drama1.6%、Hard-boiled1.2%、その他10.8%となっている。何だかカテゴリー分けも難しく、Fantasyやその他に分類するケースが増えているようにも思う。特に日本の作家にその傾向が強く、世相なんて言っても、若干超自然的な要素を含むものもあって、本来Fantasyでも良さそうなものもある。今回紹介する恩田陸さんの作品も実はカテゴリー分けするのが適切なのかどうかよく判らない。

Onnda_2 ずっとそのままになっていた「きのうの世界」(恩田陸さん、2008年9月4日第1刷発行、講談社)。「みんな知っていたはずだ。だけど、知らないふりをしてきただけさ」。水路が走り、奇妙な塔がたつ。そんな町の川を渡ると、丘陵に水無月橋がある。そこで起こった殺人事件。「瞬時にデジタルで大量の情報が送られる世界。それは逆に、・・・1個人が凄まじい量の情報を持つことを可能にした」。それとはまた異なる孤独な世界での事件は、ミステリーなのか、幻想なのか、「あなたは迷う」。「もしもあなたが水無月橋を見に行きたいと思うのならば」、幾つもの事件を迷わず進んでいくことをお薦めする。

<参考>2004.8.3~2009.8.2
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