残される者たちへ
今日は暑い。この辺りには高い建物がないので、こんな日は夏のような感じだ。つつじ祭りが終わり、バラの花も枯れ始めた。先ほどまで下の娘が来ていた。早速に海堂尊氏の「極北クレイマー」を持って行ってしまった。まァ、海堂氏の作品は、既に映画になっているもの(「チーム・バチスタの栄光」、「 ジェネラル・ルージュの凱旋」)もあるし、いまさらレビューすることもあるまい、などと強がりを言ってみる。「医学のたまご」、 「ジーン・ワルツ 」、「イノセント・ゲリラの祝祭 」も紹介してないしな。さてはて、高い建物のない、この下町に10階建て、幅のあるマンション建設の計画がある。裏の方々は昼なお暗い暮らしとなってしまう。当然ながら反対運動が起こっている。道のこちら側には影響がないとはいえ、「わたしたちが、愛してやまないカタチ」が崩れてしまうのはかなわない。
小路幸也氏の「残される者たちへ」(2008年12月22日初版第1刷発行、小学館)は、
その「カタチ」がキーとなっている。<方野葉団地>、そこは「まるで、まるで、ひとつの大きな生き物みたいだった」。それが今では「ゴーストタウン」。二十数年振りの同窓会に出席したジュンチこと川方準一、同窓会幹事のアッキこと押田明人。二人は友だちだったのか。ジュンチの記憶の中にはアッキがいない。片や13歳の芳野みつきの頭の中には死んだ母親の記憶が甦る。彼らが出会った時、<方野葉団地>で何事かが動き始める。そこは一体なんなのか。そして、残される者たちとは? 「東京バンドワゴン」シリーズ(「マイ・ブルー・ヘブン」が出ている) などとは趣を異にする。「空を見上げる 古い歌を口ずさむ」に近い作品。Robert A. Heinleinの「THE PUPPET MASTERS(人形つかい)」(2005年12月15日発行、福島正実訳、ハヤカワ文庫)とも近そうで遠い(「ブレイン・スナッチャー」と云う題で映画化されている)。
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