草葉の陰で見つけたもの
手術から2週間、漸く首の周りの覆いが外れた。我が愛犬は苦痛だったに違いない。人間の歳で言えば八十歳を超える老犬である。回復して何より。うつらうつらと過ごした最初の1週間、彼は何を考えていたのだろう。聞いても、久々に自分の身体全体を感じているのだろうか、うっとりとソファに寝転がって何も言わない。想像してみるしかないのだが、こんなことは考えなかったことだろう。首から下が見えないとは言え、大田十折氏の「草葉の陰で見つけたもの」(2008年6月25日初版一刷発行、光文社)のようなことは。それにしても、「俺は今きっと、生きながらにして晒し首になっている」なんてことをよく考えるものですね。
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