紳士たちの遊戯
先週後半花粉症のない所へ行っていた。開放された気分だった。当然ながら現状は元の木阿弥である。日曜の夜に帰ってきたのだが、疲れていてブログは書けなかった。帰りの便の中で読んだ最後の小説が外れだったことも大きな要因である。最近、手に取ってみたい小説が出てこない。未読作品消化月間なのだろうか。埋もれていた中には面白いものもあったりして、これはこれで良いのだが、少々寂しい。そうそう、山口芳宏氏の「運上都市の大冒険」もなかなか好かった。いずれ紹介しよう。さて、機上で読んだ本でまずまずだったのは以下の通りである。ハヤカワ文庫と言っても、青背じゃないところが何とも言えない。
まずは、タイトルに書いたJoanne Harrisの「GENTLEMEN & PLAYERS(紳士たちの遊戯)」(古賀弥生訳、2008年2月25日発行、ハヤカワ文庫)。Joanne Harrisは映画「ショコラ」の原作者である。伝統ある男子校セント=オズワルド校で次第に大きくなっていく事件の謎。ラテン語の老教師ロイ・ストレートリーが雰囲気を盛り上げる。次に、T.M.Jenkinsの「THE WAKING(死者覚醒)」(熊谷千寿訳、2008年2月25日発行、ハヤカワ文庫)。医師ネイト・シーハンは2006年に殺害される。それから67年、ネイトは他人の体と結合して生き還る。頭部だけの冷凍保存なんて云うのはたいした話ではないのだが、67年後の世界の変貌、その間のネイトを巡る陰謀がそこそこかな。どちらの作品も「未来は現在によって獲得される」(死者覚醒より)と云うところか。
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