ゴールデンスランバー
雪国の方々に精神的打撃を与えるつもりはないのだが、東京は大変良い天気である。まさに青空に白い雲、気温もたいして低くない。紹介しようと思いながら、そのままになっていた伊坂幸太郎氏の「ゴールデンスランバー」(2007年11月30日発行、新潮社)の舞台は仙台である。仙台の気温は8度、宮城県では雪のところもあるようだが、仙台は晴れているようだ。仙台に住んでいる作家の方が結構いる。住むのに丁度好いのかもしれない。因みに仙台・東京間は新幹線で2時間弱である。しかしだ、「ゴールデンスランバー」に出てくるような物を置かれたら、かなり嫌だろうな。ところで、Golden Slumberの意味に関しては、表紙に丁寧な解説が付いているので、ここでは割愛する。
青柳雅春は金田貞義首相暗殺犯に仕立て上げられる。監視社会で、迎合的なメディアが煽動すれば何だって出来てしまうってことかもね。さて、その青柳がどうなるかは読んで頂くと致しましょう。伊坂氏だけに通常の終わり方じゃございません。政権交代時、漸く首相になれると思っていた野党党首海老沢克男の前に、若い金田貞義が現れて首相になってしまう。しかも、その金田首相が仙台で暗殺される。何て話を読むと、なんで岩手じゃないのなんて思ってしまうのだが(笑)、暗殺に使われたのはリモコンヘリなんですな。リモコンヘリを狙い通りに操作するのは相当に難しい。私にはとても考えられないのだが(上昇させるだけで精一杯、笑)、世の中にゃ色んな人がいますから、不可能じゃないでしょう。それにしても、帯に「伊坂的娯楽小説突抜頂点」と書いてありますが、この「突抜」と云うのはなんでしょうねぇ? なんだか出版社の方は力の入り過ぎのような気もしないではありません。私が気になるのは青柳の旧友、森田森吾的な人物が伊坂幸太郎氏の小説にはよく出てくると云う点です。しかも、「陽気なギャングが地球を回す」は別として、このタイプは結構死んでしまうケースが多いのですよ。まァ、いいんですけどね。
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