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July 2007

家日和

奥田英朗氏の「家日和」(2007年4月10日第1刷発行、集英社)には幾つかの家が登場する。題名からはどんな家かは分からない。インターネット・オークションにはまった妻を描く「サニーディ」、父と子の戦いが展開していく「ここが青山」などなど世の中様々に笑えるのだ。「家においでよ」では、独身時代の部屋を懐かしむ男達が滑稽である。ム、自分の部屋を眺めてみれば、学生時代と変わらないではないか(笑)。本と模型に囲まれ、最近LPも少々取り出してきた。男はいつまで経っても子供である。そんな話はこの辺にして、「家日和」の紹介を続けるならば、まァ、ほ~そんなものかいと驚いたり恐れ入ったり、最終的には納得したりできる作品である。

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鴨川ホルモー

Gary Burtonのアルバム「New Vibe Man in Town」を久々に聞いている。そこで、万城目学氏の「鴨川ホルモー」(2007年5月31日第十三刷発行、産業編集センター)を紹介することにした。奥田英朗氏の「家日和」にしようか、はたまた小路幸也氏の「シー*ラブズ*ユー」にしようかなどと悩んでいたが、暑いときにはバイブの音が好い。私はそう思うのだ。祇園宵山と聞くと、茹だるような暑さを思い描く。と云う訳で何だかこれになるのである。ホルモン焼きの話ではない。知る者だけが知り、伝える者だけが伝え、京都に脈々と受け継がれてきたのが「ホルモー」なのである。何やら漂うのではあるが、一種独特のたるさがとても好い。さてはて、いよいよ「ホルモー」について語られるときがきた。

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前巷説百物語

外は先ほどから静かである。「世に不思議なし」ってぇことですが、今この時は「世凡て不思議なり」ってことにして、京極夏彦氏の「前巷説百物語」(平成十九年四月三十日初版発行、角川書店)でもご紹介いたしましょう。「後巷説百物語」まできた後に、「前巷説百物語」とは、「終わりじゃねェ、始まりだ」と云うことなんですかねぇ。所詮は小股潜りが御行乞食となりて「御行為奉」。そう、所詮この世は夢幻。人の真実は、その人の中にしかないのです。在って欲しいもの、在るべきだと考えられるものが、ないのに在る外の巷は夢、この世は全て幻のようなもの。その巷にりんと鈴の音がして、又市の話が始まったのです。

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6月書籍ランキング

毎月発表していた検索キーワードを見直すこととした。あまり代わり映えはしないのだが、今後は日本の小説(詩など含む)名で検索数ランキングを10位まで発表することとしたい。今回は初めてなので、サービスで日本を20位まで、海外を10位まで発表することとする。まァ、私が紹介したものしか検索されないので、現在396冊の中の順位と云うことになる。ドラマ化の影響だろうか。先月は「パパとムスメの7日間」が1位であった。今月は既に先月を越している。各種媒体の複合化は相乗効果を生むと云うことだろうか。なお、5月、6月で紹介した本の中で、「鹿男あをによし」だけが20位に入っていない(22位)。残念だ。

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ミノタウロス

佐藤亜紀さんの「ミノタウロス」(2007年5月10日第1刷発行、講談社)は、「ペテルブルクのツァーリが帝位を遂われても、ミハイロフカ(架空の地名)の生活はそうは変わらなかった」と書かれているように、ロシア革命(1916~17年)前後の話である。現ウクライナ辺りが舞台。社会主義思想が徐々に浸透してきたとはいえ、なお前近代的な様相を呈するロシア農村地帯に生まれた次男が主人公である。一文無しのどん百姓の小倅ではない。ある程度の知能を有するが、自らを「本質的にけだもの」だと思っている青年は、革命後の混乱と云う迷宮に放たれる。これを虚無と呼ぶのだろうか。否、虚無でもなかろう。

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ちんぷんかん

移り変わりは人の常。畠中恵さんの「まんまこと」(2007年4月10日第1刷発行、文藝春秋)。「一旦起きてしまったことは、元に戻らぬこともある」と云うことか。そこへ嬉しいことに「ちんぷんかん」(2007年6月20日発行、新潮社)。「しゃばけシリーズ」第六弾。「己も兄も皆も、いつまでも、昨日と同じではいられない」。心を震わせ乱す若だんな、最近ちょいと寂しかった。仁吉、佐助の兄や達、鳴家をはじめ妖たちはいつものように勢揃い。兄や達は甘やかし、鳴家たちは「きゃわわわ-」と慰める。次の日には今まで思いもしなかったことが、待っている。幸も不幸もあるものの、何が幸に転じるか分からない。

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