巨船べラス・レトラス
ここ数日、花粉症が軽い。今日も好い天気だったが、さほど酷くはならなかった。気温が下がったことも影響しているのかもしれない。暑さ寒さも彼岸までと言うが、気象庁は昨日、東京で桜が開花したと発表した。かなり早い。それにしても、夕刻最寄の駅で下車すると大変な人出であった。春季彼岸会、墓参りの人達なのだろう。この辺は墓地だらけだもんな。と云うことで(全く理由になってませんな、笑)、John Grishamの「大統領特赦」の紹介は止めて、これを紹介致しましょう。一応、花粉症が軽いと云うことでしょうか。
このような前置きはマズイかな。でも、東スポ映画大賞特別作品賞を受賞、興行成績上々なのに誰も書いてくれないので、先生、ご勘弁下さい(笑)。あの迷映画「日本以外全部沈没」の原作者である筒井康隆氏の「巨船べラス・レトラス」(文義春秋、2007年3月15日第1刷発行)である。それにしても、文学にはこう云う使い方もあったんだ。「現代日本文学の状況を鋭く衝く戦慄の問題作!」だそうです。「恐らくは批評家にもどう批評していいかどう評価していいかわかるまい」なんてことじゃないでしょうね。いやはや全く、「はのへの すっぽん」でござる。「店内全面禁煙にしたって爆発は起るのだ」。国民の頭の中を空っぽにしたって犯罪は起るのだ。
なんせ「文壇までマスコミに歩調をあわせなきゃならない時代」、巨船べラス・レトラスは「今のところは霧の中」、誰も「どこへ行くのかよく知らないんですよ」。「誰が読んでもなんだかわからないだろうと思えるからこそ…興奮する」こともあるし、「愚者の船」(小説よりも絵の雰囲気のような気もするが)のようでもある。いずれにせよ、私も「文学の面白くなさがエンターテインメントの面白くなさを加速させ、それがますます文学をも面白くなくしていった」なんてことにはなって欲しくありません。まァ、色々とご紹介したいところだが、読んでない方に悪いので、この辺にしとこうかな。文化的ミームだろうがなんだろうが、まァ、読んでみて下さい。
« 極東細菌テロを爆砕せよ | Main | 大統領特赦 »
「小説他」カテゴリの記事
- やんごとなき読者(2009.09.21)
- ミノタウロス(2007.07.07)
- 巨船べラス・レトラス(2007.03.21)
- チョコレートコスモス(2006.05.06)
- 銀齢の果て(2006.01.28)
The comments to this entry are closed.
Comments