狐笛のかなた
Clive Cusslerの「極東細菌テロを爆砕せよ」なんてダーク・ピット親子競演。浅田次郎氏の「中原の虹」(現在、第一巻、第二巻まで)は「蒼穹の昴」の続篇。Craig Show Gardnaerの「魔術師エベネザムと禁断の都」はエベネザムの弟子三部作の完結篇。どれも書きたいところだが、なかなか本の紹介をする時間がない。娘の結婚式は終わった。昨日、今日と良い天気だった。何だか疲れているが、ほんの少々紹介しておこう。上橋菜穂子さんの「狐笛のかなた」(新潮文庫、平成十八年十二月一日発行)。
「精霊の守り人」など守り人シリーズは読んでいたのだが、この本は読んでいなかった。領主同士の争いの中、争いの具として使われるこの世と神の世の<あわい>に生きる霊狐、また、呪者や守護者たちのかなしさが伝わり、野火が<あわい>をうつくしく翔けていくような流れに何故かしら心を引かれていく。そして、霊狐の野火と守護者だった花乃の娘、小夜との出会いが心に沁みる。
Lian Hearnの「TALES OF THE OTORI ACROSS THE NIGHTINGALE FLOOR(オオトリ国記伝Ⅰ 魔物の闇)」(高橋佳奈子訳、主婦の友社、2006年6月30日第1刷発行)も「狐笛のかなた」に背景は似ているが、これはまた異質な物語である。
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