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聖戦の獅子

台風13号は18日15時時点で日本海、北緯38度25分、東経133度25分にいたようである。そのせいか、蒸し暑い風が吹いていた。今週の講義資料の作成が遅れている。祭りだと云うのに飲まない訳にもいかない。お昼頃から構想を練っていたのだが、持って来た筈の資料が見当たらない。嫌気がさしてつい本屋へと行ってしまった。 やっと出ました。宮城谷昌光氏の「三国志」第四巻。宮部みゆきさんの「名もなき毒」も読んでないし、早瀬乱氏の「三年坂 火の夢」や山田正紀氏の「カオスコープ」も読んでいないが、1年10ヶ月も待たされるとなァ。これからいくしかあるまいて。と云うことで、紹介も少しは消化しておこう(全て言い訳だなァ)。

Tom01これも久々でした。Tom Clancy & Steve PieczenikのOP-CENTERシリーズ第九弾、「MISSION OF HONOR(聖戦の獅子上)」(伏見威蕃訳、新潮文庫、平成十八年九月一日発行)である。前回が平成十七年三月の「起爆国家」であった。今回はアフリカのボツワナで起きたカトリック神父誘拐事件が極東の軍事情勢へ邪悪な波紋を及ぼしそうになる事件である。例によってオプ・センターのポール・フット長官は色々と思い悩むが、いつもよりは女性関係が絡まない。まァしかし、CICO(議会情報監督委員会)からは戦闘能力の再建を却下される。そのような状況下、オプ・センターはどうするのか。そしてヴァチカンやボツワナ政府はどう動くのか。

Tom02それにしても、あの頑固者のマイク・ロジャーズ副長官も主任心理分析官リズ・ゴードンに叱咤激励される。そんなところがアメリカ的か、はたまた「自分の着ている軍服にふさわしい人間になるために、渾身の努力をつづけるのだ」なんて急回復するところがアメリカ的なのか。ところで、現実のローマ・カトリックの昨今の状況等は別として、Tom Clancyの作品としては、元ボツワナ軍将校リーアン・セロンガやヴードゥー教指導者のダンバラーの考えに理解を示しているところが興味深い。また、日本の情報工作部隊として外務省情報分析局長の藤間重雄が絡んでくる。しかも、これが結構優秀と評価されている。今までにないことである。

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