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リングワールドの玉座ほか

■Larry Nievenの「THE RINGWORLD THRONE(リングワールドの玉座)」(小隅黎訳、ハヤカワ文庫、2006年4月30日発行)
■Larry Nievenの「Ringworld's Children(リングワールドの子供たち)」(小隅黎・梶元靖子訳、早川書房、2006年5月31日初版発行)

一昨日、昨日と大変な暑さであった。そんな中、久々の背広姿はまるで我慢大会。クールビズ姿に慣れてしまったらしい。カンヌ映画祭や先々週はタキシード姿であったが、これは気合のせいか暑くなかった。やはり中途半端な格好がいけないのかもしれない。さてと、前振りはこれくらいにして、「リングワールド」シリーズ第三弾、第四弾でも紹介しよう。SFもここまでいけば半端じゃない。涼しいかと問われても、困るがね(笑)。

リングワールド」、「リングワールドふたたび」に続く、第三弾「リングワールドの玉座」を読んだところで、「リングワールドの子供たち」が目に入った。文庫本になるまで待てる訳もない(ハヤカワさんの陰謀にうまうまと乗せられている、苦笑)。ところで、以前文庫本を整理した際に、前二作はどうも誰かにあげてしまったらしい。本は手放しちゃいけませんな。さてはて、このシリーズが何故に半端じゃないか。読んでいない方に申し上げておくとだ。

「リングワールドの質量は木星のそれにほぼ等しい。幅百万マイル、長さ6億マイル-これは地球の軌道よりわずかに大きい-、厚さ数マイルのリボンをぐるりと環(リング)にした形で、それが黄色い矮星の周囲をまわっている。毎秒七百七十マイルの自転速度によって、ほぼ地球の重力に等しい遠心力が生み出される。両縁にそびえる高さ千マイルの壁は、何百万年にもわたって大気を保持しておくことができる」(「リングワールドの子供たち」序文より)そうなのだ。こんなものが存在し得るのか。なんてことはともかくとして、「“とんでもなく巨大なもの”と称される小説群」の一番手が舞台なのである。

Ring02「リングワールドの玉座」では、球体人種のルイス・ウー、至後者(ハインドモースト)のハイミーに、クジン族の待者(アコライト)が、リングワールドのさらなる危機に対処する。対処すると言ってもねぇ。プロテクターのプラムに引き摺り回されてるだけとも言えるのだが、まァ、ルイスも散々な目に遭ってることだし、そう云うことにしておこう。それにしても、大量の種族が登場すること。機械人種、草食巨人、落ち穂拾いに赤色人、川の人種に夜行人種、それから忘れちゃいけない吸血鬼、その他大勢出てくるが(なんせ種族30兆人いるらしい)、用語・事項解説も付いているので、ご心配なく。なお、好いような悪いような、ある種の行為「リシャスラ」に関しては、ここでは書かないことにしよう(笑)。

Ring04さァてと(全く解説になってないな、笑)、「リングワールドの子供たち」でも、ルイス・ウー達は、プロテクター達に、またしても牛耳られている。相手がプラムから<作曲家(チューンスミス)>に代わっただけである。そのチューンスミスは、「…繁殖者(ブリーダー)から変態を遂げて最初に確信したのは、リングワールドが非常に脆弱だということだった。わたしは自分がリングワールドとそこに住むすべての種族を守るために生まれ変わったことを知った」なんて言っているが、何だかリングワールドを守っているのか権力ゲームにうつつを抜かしているのか判らない。お陰で、ルイスは「<作曲家(チューンスミス)>の秘密主義のおかげで気が狂いそう」なのである。

リングワールドの運命や如何に。また、ルイス・ウーはどうなるのか。繁殖者(ブリーダー)でいなくてはならない(?)ルイスが「カホナ(TANJ、There Ain't No Justice)」と叫ぶようなことになるのかどうか。それを知るためには、この二冊を読まなくてはならないのだ(これじゃ、なんだね、笑)。しっかし、宇宙船の名前がいつ読んでも酷いよな。「尋問用の焼け火箸号(ニードル号)」、「うそつき野郎号(ライヤー号)」に「のるかそるか号(ロングショット号)」だもんな(笑)。

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Comments

や!なぜかオレが行く先々で見つかることがないリング・ワールド・シリーズ。まだ続いてましたか!

ニーヴンはインテグラル・ツリーとスモーク・ワールドしか読んだことないや。

こうやって長年に渡って続くシリーズものを紹介しなおして、また本屋さんの迷宮へと人を迷い込まそうということでしょうか・・・。
(-_-;)

げ。今検索したらリング・ワールドのスタートって1970年なんですね。あっちのシリーズものは息が長いなあ。

Posted by: koolpaw | Jul 17, 2006 19:28

koolpawさん、こんばんは。
その通り(笑)!長く深く暗い本屋さんの迷宮へと誘っているのです。きっと見付かりますよ、リングワールドシリーズ。ハヤカワ文庫の青背の棚の中にしっかりと納まっているはずです(笑)。dより

Posted by: dawn | Jul 17, 2006 19:57

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