アクアポリスQ
■津原泰水氏の「アクアポリスQ」(朝日新聞社、2006年1月31日第一刷発行)
久々の雨である。お見舞いに相応しい。晴れているときの病棟の雰囲気、何とはなしに気後れする。数日前の夜中、K氏に電話すると、入院中だと言う(ベットの中まで携帯電話とは。その時はいたく感心したが、考えてみると仕事中毒患者か)。数ヶ月ぶりに会ったのはその数日前。これは相当に疲れているなとは思ったが、倒れたとは驚いた。夕方近くに漸くキャンセルできる予定があった。手術の痕もたいしたことはなく、至って元気。ホッとするような、少々気が抜けるような、まァ、何より何より。間もなく某氏の昇進祝いに行かねばならないが、少々時間が出来たので、この作品をご紹介しておこう。
この作品は、ある設定のもとに複数の作家が作品を書き、合作も行うと云うシェアド・ノベル風プロジェクト「憑依都市」の一作。津原氏はその中心メンバーである。このような意欲的なプロジェクトにはどうしても惹かれてしまう。虚空後、人格希薄化(パーソナリティペーリング)現象に覆われる日本。そのQ市内、海上に浮かぶ「アクアポリス」に住む立花太一(タイチ)は高校生となった。ある日、アクアポリスの設計者だと言う「J」と出会う。「J」は言う、「すなわちアクアポリスは、海に浮かぶ巨大な護符なのです。Q市をあらゆる危機から遠ざけるための…」、そして、「私たちは濡女を探している」と。
う~む、安部晴明の護符「五芒星」か。岡野玲子さんの「陰陽師」が出てくると思うでしょう。違うんだなァ(笑)。そんないつもいつも同じ手で脇道に逸れません。「宇宙はどのようにして造られ、人間はいかにして生まれ、どこにいくのか」とか言ってもねェ、Thomas Greaniasの「RAISING ATLANTIS(レイジング・アトランティス)」(嶋田洋一訳、ハヤカワ文庫、2005年11月30日発行)に出てくるのはピラミッド、てなことを思い出したのでした。やっぱり「五芒星」の方がしっくりするな。なんて言ってないで元に戻ろう。
タイチが小学生時代に出会ったのは「サイト」。彼は「空虚者(エンプティ)」、「希薄者(ペール)」とは違うもの。「サイト」、「濡女」、そして「名おそろしきもの」の一つに挙げられる「牛鬼」、そこには何らかの関係が。「J」の正体。統治府ニレの恐ろしき企て。「自我が偏在するように、死もまた偏在」する世界で、「僕は凡人だ。…僕は選ばれた子供じゃなかったし、これからの人生もそうだろう。だけど出来ることはある。僕には好きなものがたくさんある」と思うタイチは如何に…。クライマックスへ向かって事態は大きく展開していく。タイチは画家になりたかった。
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Comments
dさん おはようございます。
さて、三成21などと称する変な輩がdawnに寄生し「書評外のコメントばかり・・(笑)」
それでは申し訳ないので「300回記念に相応しいコメントを・・」と、思ったものの、書きそびれた挙句の果てに、やはり、というべきか今回も「放言=三百代言」となりまして・・
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三:撰珀逸夏慰姫年!おめでとうございます。
d:これは・・漢文?
三:いえ、そんな・・横書きですので・・是非とも「音」読みで・・
d:「さん・びゃく・いっ・か・い・き・ねん」ですか?
三:「アクアポリスQ=301回記念」ですので・・
d:成る程・・しかし、端数を一々記念するのもね・・「300回記念」にも書いたが、別に回数に拘っているのではなく、いうなれば、200回目、300回目は一種の「一里塚」あるいは、「竹の節」の様なモノですよ・・
三:たしかに・・
d:いいですよ・・三成21さんの「三百代言」とやらをお伺いしましょう・・
三:それでは・・お言葉に甘えまして・・
「撰珀逸夏慰姫年」
「主として小説の感想を・・」との思いで、一昨年の夏に開始したweblogも、数えてみれば幾百本・・、
ふと、俗諺「筆は一本、箸は二本」あるいは「書くは難し、読むは易し」を思い起こす。いわゆる「作家の一字一句は血の一滴」ということか・・、
しかし、「異色の作家・作品」もまた「十人十色=百人=数多」であり、万冊と言えども一読者が所蔵する作品群から「作家の逸品を撰」じて紹介することは不可能なのである。
それもそのはず、ブログを始める前に述べたように「dawn=自由奔放なる主観」だからである。
そして、また・・
何を隠そう、至って元気で誰も見舞いに訪れない筆者にすれば「dawn=慰労=癒=健康=活力=命」なのである。
その「dawn」は、今までも、また、これからも「余暇の集積=膨大な時間」で成立するのである。
しかし、その我侭を許したのは「職場と家族の理解」であり、中でも、車や散策やプレゼント交換など「程よい年の差に成長した娘」の励ましに寄る所が多いと感謝・・、
さて、新たなる気持ちでスタートした301回目ではあるが「連綿たるブログ」の行く先を思えば、たとえ、万回(満開)に至ることなく、9174回目で絶筆しても・・それこそ「悔い無し」なのである。
三:我ながら「一時は、どうなることか?」と、不安になった「大異小同の三百代言」も、どうやら最後の「駄洒落」で無事!?終えることが出来ました(笑)。
また、「三成21=閑人」のみならず「漢字の羅列=妄想+空想=頭の体操」となりました。
今後とも一読者として「dawn」に期待しております。
Posted by: 三成21 | Feb 18, 2006 at 09:10
三成21さん、こんばんは。
いや301回記念並びに私の語り部分まで書き込んで頂きまして(笑)、恐縮至極でございます。有難うございました。
「妄想、空想、頭の体操」、これは言葉遊びに好いですね。何かに使わせて頂こう。dより
Posted by: dawn | Feb 18, 2006 at 17:29