犬と吉祥の美術
今年の正月は体調がすぐれなかった。昨日まで天候も悪かった。家の中で飲んでいるしかない羽目に陥った。酒は新潟から送ってもらった朝日酒造「越州」の「壱、弐、参、悟、禄」を飲んだ。「禄乃越州」などは水を飲んでいるかのような按配である。美味い。そうこうするうちに、昨日の夕方から天気も回復。私の頭も本日の朝方から漸く改善した。晴れてて元気なら、行かなくちゃ、などと思いながら、東京国立博物館へと行ったのだった。
昨年の「酉・鳥・とり」同様に、「博物館に初もうで」、新春特別展示「犬と吉祥の美術」(1月2日~29日)なのだ。
犬は古来より人間の最も近しい生き物であり、魔を除けてくれるとされている。「帯 葡萄色天鵞絨地小犬草花模様」などはまさに艶やかでありながら、魔除けでもあるのだろう。円山応挙の「朝顔狗子図杉戸」など、
可愛い犬が多いなか、後漢時代の「緑釉犬」や「埴輪 犬」などに親しみを感じる(埴輪の時代から既に首輪をしている)。うッ、流石に伊藤若冲。犬じゃないが、「松樹・梅花・孤鶴図」は好いね。でも、今年は戌年。最後は「嵯峨人形 桃太郎」で締めましょう(左下の写真)。
ところで、昨日の夕方の空は何となく変な雰囲気だった(右下の写真)。恩田陸さんの「エンド・ゲーム」を読み終えたばかりだったからか。いや、気分の問題だったのかもしれない。なんせ、筒井康隆氏の自選ファンタジー傑作集「ヨッパ谷への降下」の第一篇が「菜菜飯店」だった。
1988年に「菜菜飯店」(新潮社、1988年6月15日発行)が出たときにも、某銀行のN氏が「こんな店が欲しいですね」なんて言っていた。体調が悪いと、こんな店に本当に行ってみたくなる。でもねぇ、ある訳ないしね(笑)。
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Comments
はにわイヌ・・・舌をでれっと出してました(w)。日本画の「朝顔狗子図杉戸」は今でいえばワンコのポスターとかでしょうか。モコモコした子犬は時代をとわずかわいいとみんな思うんだー。
件のCuteOverloadで「日本の『カワイイ』にお辞儀!(日本の国歌演奏つき)」とまで絶賛される日本的「カワイサ」はこういった歴史と伝統があるんですね。
で、そのCuteOverloadにミューヨーク・タイムスの記事「カワイさを科学する(原題:TheCuteFactor)がリンクされていました。
http://www.nytimes.com/2006/01/03/science/03cute.html
そこにあった"Which is cute?"のリストによると鼻は「小さくてひらべったい方がカワイイ」そうです。カルチャー・ギャップだ。。。
( ̄□ ̄;)
Posted by: koolpaw | Jan 04, 2006 18:18
koolpawさん、おはようございます。
いやァ、随分と「カワイサ」のファクターには違いがありそうですね。だから、いいんでしょうけど(笑)。dより
Posted by: dawn | Jan 05, 2006 08:36