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銀齢の果て

■筒井康隆氏の「銀齢の果て」(新潮社、2006年1月20日発行)

会社に顔を出したら、人員増に伴うレイアウト変更を行っていた。作業員が行ったり来たりする姿が目の端に入り落ち着かない。電話等も使えない。早めに失礼することにした。さてと、懸案の「マヂック・オペラ」等の紹介をしようかと思ったのだが(最近の枕詞だね)、これは書いておかなければなるまい。とは言え、この作品は簡単に。だってねぇ、なんせ筒井康隆タッチの作品なのだ。内容など事細かに書けるものではございません(イヒイヒイヒ・・・)。但し、テーマは大変に真面目なものであることは確かだろう(か?若干の疑問を感じざるを得ないところが、筒井康隆氏でもある、笑)。

tutui04それにしても、あの「」(新潮社、1998年1月30日発行) に於いて老いの精神的崩壊を描いてから8年、それは「シルバー・バトル」へと昇華した。いやはや、「敵」は心理的に相当怖い話であった。筒井康隆氏の大ファンである私ですら、一種怖気を感じてしかたがなかった。心理的攻撃は凄まじい。今度はそれを、こんな形に持っていくなんて! 筒井康隆氏にしか出来ません。恐れ入谷(「入った」なんて書いていた。入谷は避けたいのかもしれないねぇ、I君)の鬼子母神(「ほいだらうけたか」などと叫んでしまう、笑)。

tutui02それでっと、宇谷九一郎(77歳)に猿谷甚一(76歳)が言うのですね、「バトル・ロイヤルの基本としては、まず強い者ひとりを弱い者多数が寄ってたかってやっつけるという戦法があります。…」。これ以上は書きますまい。「ラララ、ランララ、ランララ、ラ」と歌いながら、「間の抜けた介護制度なんてものは、良識による悲劇の最たるものだったんじゃないのかな」と云う言葉でも噛みしめましょうかね。

ところで、昨日、生活保護支給額が年金受給額を超えるケースがあると云う話を聞いた。全く、どう云うことなのだろう。これじゃ、やはり年金制度なんて止めた方が良いような気がする。そうだ、話は戻るが、この作品を映画にするとしたら、筒井康隆氏にはどの役がいいのだろう。

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