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空獏

■北野勇作氏の「空漠(くうばく)」(早川書房、2005年8月31日初版発行)

昨日、今日と爽やかな秋晴れ。昨日の午前中は日本知財学会理事会に出席。昼頃に会社の近くに戻って来た。なんて綺麗な空だろうと見上げた頃は頗る元気だった。それが午後になって何だかゾクゾクするなと思っていた。書類の整理をしていたら、急にくしゃみ。続けて出るうちに頭がぼうっとしてきた。社員達も大半が帰ったところで私も会社をあとにした。その頃には完全におかしくなっていた。

ところが、帰宅してみると自宅の周りにガス会社の人たちがいる。声を掛けると、私の家の敷地内でガス漏れしている。工事は明日になるので、ガスを止めさせて欲しいと言う。已むを得ないので、外へ食事に出掛けた。帰ってきたときには熱が出ていたのだろう。矢鱈と体のあちこちが痛い。大変な汗をかきながら寝ていたが、ちょっと眠っては、目が覚める。その繰り返しのなか、チャイムが鳴った。工事を始めると言う。今現在、とても気分が悪いのだが、騒音に眠ることも出来ない。全てが悪夢のようだ。

devil悪夢は軽く、くだらなく、そして醜悪に続くのです。「空漠」、不思議な作品です。そう言えば、Manuel Mujica Lainezの「Elviaje de los siete demonios(七悪魔の旅)」(中央公論新社、2005年7月25日初版発行)も悪夢と言えば悪夢のような話でした。あるとき人々は獏-あの獏ですよ、夢枕獏氏ではありません-のなかでいっしょに眠りにつくことにしました。獏がささやく夢のなか、夢とも現ともつかないところへと。そう、既に始まりから奇妙に捻じ曲がった話ではあるのです。それが、獏のなかにある不安が発生したとき、とてつもない悪夢へと進んでいくことになるのです。獏のなかに発生した不確定要素が消し去られるまで何度でも。

kubaku01商店街で、溝の中で、宇宙でと、中身がわかるまで戦争が続くのです。だから、割って観るまでわからない西瓜もたくさん出てきます。だって、悪夢ですもの。西瓜太郎は言いました。「我々は民主主義だからな」。政府は戦争にオマケまでつけます。「戦争に行った人ならもれなく貰える素敵なオマケです」。それは、「幸せな思い出」です。「幸せだった過去の暮らしを懐かしむのは、戦場で汗と血を流す者だけに許された特権なのです」。「まあ昔からそういうことはあったのです。オマケのために本体を買うというのは」(そうです。コンテンツビジネスだって、そうじゃありませんか。その結果は音楽業界の方々がよ~くご存知でしょう)。

そんな不条理な繰り返しなんて、単なる夢にすぎないことを納得したいのが人の常。それで安心できるのです。でも、それでわざわざ来てみると、そこには天井のヤモリがいるだけです。ヤモリはずっと見ています。私の家にもいつも可愛いヤモリがいました。ひとっところの窓を守って彼はいつも見守っているのです。fall誰かがちゃんと頭を出して確認しないといけないのに、「でも、それをするのはおれじゃない。おれ以外の誰かであるべきだ」なんて考えていたら、いつまでも状況は変わらないのです。長い長いあなをさまよい続けているなんて嫌でしょう、皆さん。(右の写真は昨日の空)

彼が見ているのは悪夢じゃないことを祈ります。
mitu
陽だまりの「ネコ」じゃなくて「我が愛犬」へ。


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Comments

お大事に。

Posted by: MAX松浦 | Oct 05, 2005 at 04:09

MAX松浦さん、有難うございます。
お陰さまでかなり良くなりました。dより

Posted by: dawn | Oct 05, 2005 at 09:59

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