« NHK改革 | Main | 眼鏡の修理 »

マルドゥック・スクランブル

■冲方丁氏の「マルドゥック・スクランブル」(ハヤカワ文庫)
The First Compression-圧縮(2003年5月31日発行)
The Second Combustion-燃焼(2003年6月30日発行)
The Third Exhaust-排気(2003年7月31日発行)

実はこの紹介で丁度200冊目の紹介となる。少々格好を付けて紹介しようと思うが、なかなかそうもいかない。紹介する本だけでも格好良く、冲方丁氏の「マルドゥック・スクランブル」としてみよう。

<2005年9月22日午後6時20分頃>6時過ぎだと云うのに既に真っ暗だ。空は鬱々とした雲に覆われている。風は涼しいが、背広姿で動き回っていると幾分汗ばむ。明日は休日らしい。休みだと云うことも頭から抜け落ちている。どうせ明後日も中国放送関連の方と会うことになっている。10月中旬までは休みは忘れていよう。さてと、7時からT社の営業推進会議に呼ばれている。と、ここまで書いていた。
<2005年9月25日午後4時00分頃>再開。台風のせいか風が時折強く吹いている。パロットの動から静、静から動へとめまぐるしく展開する戦いのように。

compression01ルーン=パロットは「Mardock Scramble-09」で蘇る。「死んだほうがいい」から<死にたくない>へと。頭のなかでは言葉が韻を踏み続けている。「…mash …gosh!」。ウフコック=ベンティーノは言う、「彼女は全てを失った。彼女を助けたのは我々だ。彼女が今生きている意味を、一緒に探す責任がある。彼女に、生存放棄を選択させないことが、今の俺の有用性だ」と。反転変身するウフコックとパロットは見つめ合う。ドクター・イースターが「スポットライトでも当ててやろうか?」と声をかけた。シェル=セプティノス、オクトーバー社との戦いが始まろうとしていた。「ものすごい虚無感が背後からひたひたと押し寄せ」てくる。パロットは「ありったけの情念をもって弾丸を撃ち込んだ」。「死なないために-生き残るために」。

combustion01カジノもまた戦闘か。カジノ界屈指のスピナー、ベル・ウィングは「左へ回れば悲しみを運んでくる。右に回れば喜びを運んでくる。…」と言う。パロットのボールはどちらへ行くのか。アシュレイ・ハーヴェストのカードに切り刻まれるのか。≪どんどん尖っていく≫ 「全く別のコンセプトの二つの存在が」一つになる。「“天国への階段”(マルドゥック)は、転落する以上に、栄光へと登るときこそ、人に苦難を与える」。ゲームが「自分が死ぬか生きるかというゲーム」になったとき、それはぎりぎりの知能の戦いへと変わる。静的なゲームが鋭利な刀のような感触を伝えてくる。 

exhaust01「フラッシュバック-この世で最悪の呪詛」、「自分から、二度と戻りたくない場所に戻っていた感覚」、「腐った卵の中身」。振り払うシェル。虚無へと突き進むディムズデイル=ボイルド。パロットとウフコックは天国への階段を進む。「戦闘を経るたび、未知数に発達する」パロットの能力、…光flash、新鮮fresh、希望wish、腐った過去が胸の底に沈み、そして生きる意志が蘇る。「我々は、その偶然の中から、自分の根拠を見つける変な生き物だ」とアシュレイが言ったように、偶然の中から生きる力を探し求めていく。パロットは流れそのものになる。

窓から外を見ると青空が見える。台風は何処に行ったのだろう。

|
|

« NHK改革 | Main | 眼鏡の修理 »

活劇」カテゴリの記事

Comments

ハヤカワとはいえ、沖方さんまで手を出しましたか。三雲岳斗さんとかライトノベル風じゃない装丁で単行本だしてる人もいますから、ハヤカワ族以外のラノベ系作家もお勧めですよ。

Posted by: Jin | Sep 25, 2005 at 19:45

Jinさん、こんばんは
そのうちに、そちらにも進出しましょう。でも、今朝から「復活の地」を読み始めましたので、少々お待ち下さい。最近、Jinさんに言われるがままですね(笑)。読まなきゃならない著作権関連の本たちは大概が厚いし、上下巻なんてのもあるし(自分で執筆しようかなどと考えたのが間違い)、浅田氏の本も待っているし、もっと時間が欲しいよ~、と叫んでも駄目か(笑)。dより

Posted by: dawn | Sep 25, 2005 at 20:17

新刊でもないし、どうも怪しいと思っていたら、やっぱり下心ありの選択だったんですね(笑)

蒼穹のファフナーとかだったらすぐに見抜けたんですけどね。

Posted by: Jin | Sep 28, 2005 at 23:39

Jinさん、こんにちは
何を仰る。全く下心なんてありませんよ(笑)。好いものは好いと云うことです。dより

Posted by: dawn | Sep 29, 2005 at 11:15

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46565/6110977

Listed below are links to weblogs that reference マルドゥック・スクランブル:

« NHK改革 | Main | 眼鏡の修理 »