LBO
最近「LBO(Leveraged Buy Out)」と云う過去の亡霊のような言葉がマスメディアに頻繁に出てくる。「LBO」はバブル以前の時期に米国に於いてよく用いられた買収手法である。買収先の資産(事業)を担保にして買収資金を調達する手法である。この手法で調達すると、資金返済の為に買収企業の高収益部門を分離売却するケースが多々見られ、最終的には買収された企業には不採算部門しか残らず、逃げ遅れた金融機関が不良債権を抱え込むこともあった。その当時、マスメディアは邦銀の「LBO」業務を再三攻撃していた。
結局のところ、「LBO」は事業体の解体に繋がることが多く、最近では米国でもあまり用いられていない手法である。ところが、日本のマスメディアは、あれだけ批判していた「LBO」も外資系金融機関がやるのならOKのようだ。特に朝日系列にこの傾向が見られる。これはどうしたことであろうか。
ところで、今回の事例で担保になる資産とは何だろうか。不動産等固定資産を別にすれば、次のように考えられる。
1.報道映像(著作物)⇒確かに放送会社の資産(財産価値としては殆ど無価値と言っていい。歴史的価値はあるだろうが。)
2.その他の映像(著作物)⇒他の制作会社との共有(もしくは合有)⇒放送会社が自らの著作権と言っているものの大半は自らの資産ではないのである(このことは制作サイドから従来より批判されている)。
3.電波使用権(免許事業)⇒電波は本来国民の資産である。これを免許事業と云うことで貸与しているに過ぎない。これが買収によって実質的主体が変更されるとすれば可笑しな話であり、国民に無断で担保に供される性格のものではないだろう。
このように考えてくると、某放送会社の無形資産としては報道映像しかないのである。蛇足だが某レコード会社(=現状はビデオ販売会社)にも自社本来の著作権は殆どないと推測される。大半が某放送局及び共有者、もしくは某放送局と親密な映像配給会社の権利であろう。某ラジオ会社が買収されたら誰も使用許諾しないでしょう。こんなもの買収してどうするんでしょうね(だってね、某ラジオ会社も全国ネットないしね)?そのほか不動産や有価証券はあるでしょうが、そんなものね、どの程度でしょうね。
グレーでも合法的なら何でも正しいの?一方当事者も誉められない体質の企業だからと言って(あくまで一般論です、笑)、法の趣旨、企業倫理などを考え、fishyな取引を暴き、批判するのがマスメディアの役目じゃなかったのだろうか。本当に日本のマスメディアは解らん。
もう一つ、「某社が50%超を保有した」と報じたマスメディアは単なる誤報と云うだけでなく、株式市場に大きな影響を与えたと云う意味で相当に責任が重いのではないだろうか(流した本人も含め)。
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