「バウンダーズ」
■Title:The Homeward Bounders Auther:Diana Wynne Jones 和泉裕子訳(PHP研究所)
「バウンダーズ」は一種のゲームがモチーフになっている。色んな要素が現れ重なり合っていくのはいつもの通り。当然、今回も収まりはつく。ゲームと言えば、「ダークホルムの闇の君」でもゲーム感覚の観光旅行が題材となった。この本は辛辣な風刺になってはいるものの、Diana Wynne Jones特有の愉快で複雑なドタバタが展開される。最後に突拍子のないことも待っている。でも、「バウンダーズ」はいつもとはちょっと深部に差異がある。主人公ジェイミー・ハミルトンは13歳くらいに見えるのだが、実は100年もの間、バウンダーズ(故郷に向かう者)として世界の環を回っている。<あいつら>は邪悪なゲームを楽しみ、その中で「ランダム要素」として「ディスカード」されたジェイミーは「境界」から「境界」へと進む。ヘレンやヨリスに出会うものの「冷たい足のような僕の痛み」から逃げられない。
果たしてジェイミーは故郷に戻れるのか。希望はどうなるのか。
我々も誰かに操られゲームの駒となり、他人の作った「ルール」の上で「本物の場所」を見失っているのかもしれない。現実を取り戻すために誰もが犠牲を払う必要などない方が良いに決まってる。歴史を振り返ると、そこには影が付き纏ってはいるが。
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