「呪文の織り手」
■Title:The Spellcoats(Dalemark Quarter 3) Auther:Diana Wynne Jones 三辺律子訳 (創元推理文庫)
日本語訳では「デイルマーク王国史3 呪文の織り手」である。まさにデイルマーク王国史四部作の第三巻と云うことになる。私は間違えて買ってしまった。粕谷知世さんの親切な解説「一、二、三巻はそれぞれ独立した物語なので、どこから読んでもかまわない。」のお陰で安心して読めた(書いてあったのが最後のページだものね、大抵解説は読まないのだが、大変感謝)。ちゃっかり一、二巻も別の本屋で調達してきた(笑)。
それにしても、Diana Wynne Jonesとは思えないような作品である。全編読んでしまわないと怪しいが、どこにも吹っ飛ばされず、大どんでん返しも食わなかった。5人の兄弟、長女のロビン、長男のガル、次男のハーン、次女(わたし)のタナクィ、三男のマラードそれぞれの言動、性格には頭の隅をかじられるような気持ちにさせられる。でも、各々の性格はストレートに何か、まさにそれ故のものに突き進む。川を下り、また戻る長い旅の中で、タナクィは物語を織る。これが何の役に立つのか。
タナクィとともに全容が次第に明確になってくる。織物が言葉の表裏を捉えていく。同じように「魔法の国ザンス」シリーズの世界でも物語をタペストリーの中に見る場面がある(何巻だか忘れた)。ただ本質的なところが大きく違っている。
ところで、この作品を読みながら、主題等は相当に異なると思うが、山鬼(『土佐本川郷「寺川郷談」、土佐方言詩集「いごっそうの唄」1984年土佐出版制作室刊』⇒『「日本方言詩集」、川崎洋編、思潮社』)を思い出した。
<山鬼より抜粋>
・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・
そんなら
山鬼とはたれのたましいですろうか
・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・
ありゃあ もしやおまえさんの
ひきちぎれたたましいではありますまいか
【追記:「ハウルの動く城」のお陰(せい)か、Diana Wynne Jonesの作品が数多く紹介されるようになった。この作品のように最近の作風とはかなり趣を異にするものも多い。嬉しいような、残念なような複雑な心境である。】
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