「ねこのばば」
■畠中恵さんの「ねこのばば」(新潮社)
段段降りたら商店街。古い本屋に入ってみると、なんと「ねこのばば」が見つかった。探してたんだ「しゃばけ」 「ぬしさまへ」に続く「ねこのばば」。嬉しい思いで会計に。おじいちゃん、無言で受け取り、なにやらぶつぶつ言っている。「1万円からだから、5千とあと1,2,3枚、それから635円、ハイ」。 それ見た私は息を呑む、漸く「あの、おつりが5千と935円しかないんだが」と声が出た。おじいちゃん暫く無言、漸く『「ねこのばば」だけに化かされたか。ハハハ』だとさ。私もなんだか納得、「そうだね、ハハハ」。
8千と635円、おつり貰って嬉しく帰り、さっそく読み出す「ねこのばば」。
若だんな一筋に暮らす妖たちの一途さと、金に色にと際限のない人の欲。なんと言ってよいものか。猫も嫌がる小判の前で人の命もあらばこそ、足を踏み出す人もいる。「どちらを向いて、足を踏み出すんだろうか」、人は何とも頼りない。子供の頃の「虹色のしゃぼん」を思い出せたらよいのだが。
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