読売新聞の広告問題
『読売新聞は30日付の朝刊に、週刊文春の広告の一部を塗りつぶして掲載した。広告の原文から「巨人軍桃井球団社長」と「ナベツネ帝国の逆襲」が削除された。』(9/30毎日新聞)に関して、落ち着きの悪いものを感じていた。それはblogの中で新聞の「記事と広告とを同一視している」ような記述が多いところである。記事も広告も現実として同じ企業がやっている話ではないかと言われれば、それはその通りである。また週刊文春見出しそのものが報道であり、その見出し広告を改変すること自体が報道を疎外するものだと云う見方も当然あるだろう。
しかし、新聞社の中では記事は編集局、広告は営業局(名称はこの通りかどうか判らない)に分かれている。もし、この二つの局が峻別されないとどうなるか。例えば、メジャーな広告クライアントがアクシデントを起こしたとき、その企業が営業局を通して編集局に圧力をかけ、これが通ってしまうとどうなるのだろうか(こんなことはなかったと信じよう。事実、私の経験から言うと毎日新聞は偉かった。)。逆に編集局がある記事を書いた場合に、それをネタに営業局が広告営業に走るとどうなるか(NHKのプロジェクトXみたいに)。いずれにせよ、これでは報道の独立性は保たれないことになる。
私は「報道はその受け皿である企業のビジネスから独立していなければ客観的な報道は出来ない。また、報道ネタをビジネスに使うとすれば、それは総会屋と同じ犯罪である。」と言いたいのである。従って、あくまで一般論として申し上げると、広告は自社の適法なビジネスに沿って掲載するものであり、これは記事とは全く異質のものである。ビジネスと云う観点から見れば、これは自社のプラスになるか否かの判断のもと行うものであり、逆に記事と混同するようなものは避けなければならない(読売のケースでは文春の見出しは自社のバリューの低下に繋がる恐れがあり、ビジネス的にマイナスと判断されれば、それはビジネス分野であるからやむを得ないとも言える。)。【追記10/3:当然ながら、このビジネス判断に対して批判すると云う話はある。それは報道の問題とは別である。とは言え、読売の問題は社説等の問題が先にあると云うことは分かっている。敢えて問題提起している。】
以上は理想論と言われればそれまでであるが、読者が端から「記事と広告とを同一視する」と云うのは如何なものであろうか。現実の問題を見ると割り切れないものを感じることは良く理解できるし、それだからこそ一般読者の既存メディア離れを起こしている訳ではある。しかし、「記事と広告とを同一視する」と云うことは、そもそも読者サイドが報道の独立性を認めていないと云うことにならないだろうか。
もやもやした感じを文字にしたいと思ったのだが若干意味不明になってきたので、この辺で終わりにします。
【追記10/3:「読売新聞が報道と広告とを連動させた⇒これは報道倫理に反する」と批判するなら解る。「読売新聞は広告業務において結果として間違った主張をしている⇒これは報道倫理に反する」と批判するのは少々おかしいように思う。】
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Comments
うーん。報道と営業とかではなく、その上の意向を受けて報道も営業も動いている、ってところだと思いますが。渡辺さん=報道ONLYの人ではないでしょうし。ジャイアンツ問題は最初から読売グループの営業(お金儲け)の問題であって、報道側はずっとその意向を受けた記事や社説を展開してきたわけで。だからその一環として読売という企業全体の問題としてしか捉えようがない気がします。
Posted by: M.H. | Oct 03, 2004 at 12:24
M.Hさん、コメント有難うございます。
おっしゃられるような捉え方なら良いと思うのです。「読売は報道もその他も一緒くた」だから可笑しい。私もそう思うのです。私は理論を遊んでいるのかもしれませんが、単に「広告の在り様がおかしい=報道の倫理に反する」と云う捉え方が何となくすっきりしないと思っているのです。Dawnより
Posted by: Dawn | Oct 03, 2004 at 13:27
いつもTBありがとうございます。現場から言えば、広告局が露骨に編集局に「介入」するケースは少ないと思います。今回の場合は、広告がナベツネさんに配慮した(自主規制?)のではないでしょうか。新聞事業と広告の関係については、また近々書いてみたいと思います。
Posted by: ガ島通信 | Oct 05, 2004 at 11:49
ガ島通信さん、コメント及びtrackback有難うございました。
Posted by: Dawn | Oct 05, 2004 at 12:09